後書き:手紙

 皆様こんにちは。管理人のsakutaです。今回は読み切りで書いた「手紙」の後書きです。

 この小説は、連載で書いている「土曜日の朝、渋谷で」が荒んでいる作品(嫌な大人ばかりが出てきます! 笑)なので、少しでも心穏やかな作品が書きたいな~と思ってしたためました。書き始めると登場人物が自由気ままに動き始めてしまいました。

 つらつらと、それぞれの登場人物について語っていきたいと思います。

 主人公の「田崎れいかちゃん」は、かなり閉じられた世界に生きている女の子なのだと思います。この小説には驚くほど登場人物の名前が出てきません。物心ついたころには、彼女にとって、世界というのは怖いものになってしまっていたようです。彼女をいじめていた男の子たち。冷たい言葉を向ける母親。よそよそしい大人たち。自分よりちょっとお姉さんになってしまった女の子たち……。そんな時に出会ったのが、「山本先生」でした。

 山本先生が伝えたかったのは、失敗しても良いのだということ。そして、みんなそれぞれが素晴らしいのだということ。彼女は、もう少し小学生にとって、等身大の先生として描きたかったのですが、かなり落ち着いた感じになってしまいました。そこは少し反省です。この作品をリライトする機会があったら、彼女の性格は少し変わるかもしれませんね。

 れいかちゃんは山本先生に歌をほめられたことで、自信をつけます。彼女が好きだった歌、そして自信のなかった声をほめられたということは、かなり大きな出来事でした。その自信をさらに高めるきっかけを作ってくれたのが「森田香苗ちゃん」。合唱大会に出ようと先生が言った日、彼女とれいかちゃんの目が合ったのは、もしかしたら偶然だったのかもしれません。香苗ちゃんは伴奏を務めるほど、ピアノが得意なようなので……。それでも、大きなきっかけをくれた香苗ちゃんに、れいかちゃんがありがとうを言えたのはすごく嬉しかったです。当初のストーリーでは、先生にだけ感謝を伝える予定でした。でも、どうしても香苗ちゃんにも感謝を伝えてほしいと思ったのです。

 合唱大会を通じて、自信を付けたれいかちゃん。彼女はどんな中学生になるのでしょう。そして、どんな先生になるのでしょう。機会があれば、れいかちゃんのその後も書いてみたいと思います。

 作品にお付き合いいただきありがとうございました。また、別の作品でお会いできれば幸いです。